本学にはたくさんの部活動があるが、各部の活躍の背景にチームや選手たちを支えるマネージャーがいることを忘れてはいけない。今回は4年次生の〝ベテラン〟マネージャー4人に、嬉しかったことや楽しかったこと、その立場ならではの葛藤などを自由に話してもらった。(聞き手/長濱虹帆・3年次生)
― なぜ、マネージャーになろうと思ったのですか?
鳥居恵莉:陸上競技部
高校時代はフェンシングをしていて、大学でも続けたかったけど環境がなかった。もともとマネージャーに興味があったので、小学校の時にしていた陸上競技部のマネージャーになろうと思いました。
原井川美優:サッカー部(男子)
入学直後のフレッシュマンキャンプで同じ班にサッカー部員が多かったのと、マネージャーの先輩から声をかけてもらったのがきっかけですね。
鈴木亜季:水泳部(競泳)
私は最初からマネージャー志望でした。本当はサッカー部のマネージャーをやりたかったんですが、一度練習を見たら、なんだか雰囲気に圧倒されて……(笑)友人がいた水泳部に決めました。
中村春那:男子バスケットボール部
私はずっとバスケ部でしたが、大学でプレーを続ける自信がなかった。でも、バスケに関わっていたかったので、マネージャーになりました。
― マネージャーの役割のなかで、1番難しいと思うことを教えてください。
鈴木 私自身は水泳の競技経験がないので、タイムをあげていこうと言っても、お前にはわかるか!って思われているような気がするんです。だから、あまり強く言えないけど、言わなきゃいけないときもある。言うのも辛いし、それに対して何か言われるのも辛い。
一同 それ、わかる~
鳥居 陸上は基本的に個人競技だから、1人1人の部員が求めていることが違うところが難しいかな。声をかけて欲しい人もいれば、そっとしておいて欲しい人もいる。
中村 男子バスケ部は外部コーチが指導してくださっているので、スケジュールを含めた多くのことをこちらで考えなくちゃいけないところかな。
原井川 私はトップチームのマネージャーをしていますが、マネージャーの一挙一動がチームを壊すこともある。その怖さは常に意識して行動しています。
― 逆に嬉しかった事は?
鳥居 特別な言葉じゃなく、「ありがとう」って声をかけられたときが、1番嬉しい。
中村 ほんと、そう。「マネージャーがいてくれたら安心する」って言われたときも嬉しかった。
原井川 勝った瞬間の笑顔を見られたときかな。今回の関西学生選手権で優勝が決まった時は、夢か現実か分からないほど嬉しかった。でも、日本一になる瞬間を見られたら、もっと嬉しいだろうなあ。
鈴木 私がやってて良かったと思うのは、これからかな。最後の大会の後に、どんな感情があふれてくるのか、楽しみでもあります。
― 選手たちとうまくコミュニケーションをとり続けるのは難しいのでは。
原井川 練習後に、ペットボトルの水をかけあったりしています(笑)。プライベートな情報も、知っていたほうがいいときもありますね。
中村・鳥居 それはそうですね。
鈴木 標準記録をきっても、メンバーに入れない選手もいます。そういう選手に声をかけるのは難しい。その選手が懸命に仲間を応援している姿を見ると、余計に……
― 後輩マネージャーたちに、どんな思いを託されますか?
中村 私が引退すると、マネージャーは後輩1人だけになるので大変だと思う。私が経験してきたことをしっかりと伝えて、負担を少しでも軽くしてあげたい。
鳥居 選手と一緒に喜びを分かち合うためにも、自分がやるべきことをしっかりとやっておくこと。自分だけの時間じゃないことを常に意識しておいてほしい。
鈴木 選手たちを支えたいと思う気持ちをずっと持ち続けて欲しい。自分がやりたいことよりも、選手のためにやるべきことを優先してほしいですね。
原井川 サッカー部は8つあるカテゴリーに1人ずつマネージャーがいて、週に2回マネージャーミーティングを開いています。カテゴリー間の潤滑油になるのもマネージャーの役割なので、サッカー部全体を見ることを忘れずにがんばってほしい。