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巻頭特集 サッカー部(男子) 森昂大選手 徳島ヴォルティスJ2へ

  • 森昂大選手
  • 森昂大選手

    不動のセンターバック 森昂大選手

  • 生泉選手

    新4年次生泉選手 来シーズン神戸へ早期入団内定!!

  • 山口マネージャー

    “ホペイロ”山口マネージャーはセレッソ大阪へ!!

本学サッカー部で活躍した森昂大選手が、この春から徳島県全県を本拠地とする徳島ヴォルティス(J2)でプレーすることが決まった。1月6日に本学で開かれた入団記者会見に臨んだ森選手は「対人プレーやヘディングで強さを見せて、将来は日本を代表するセンターバックになりたい」と抱負を語った。この日の会見では、泉柊椰選手(新4年次生)の2023年シーズンのヴィッセル神戸(J1)入団内定と、山口大貴マネージャーがセレッソ大阪(J1)に就職することも併せて発表され、本学サッカー部の多面的な人材育成をアピールする舞台となった。

「徳島ヴォルティスの勝利のために自分のすべてを捧げる覚悟で挑みたい」 ― 森 昂大
長野県松本市出身の森選手は、創造学園高(現松本国際高)から本学に進学し、一年次の夏から試合出場のチャンスをつかむと、その後は不動のセンターバックとして活躍。身長183センチ、体重74キロとディフェンダーとしては決して大柄ではないが、空中戦や対人プレーでの強さと正確なフィードを武器にチームを牽引してきた。
入団会見には、本学の大河正明学長、サッカー部の望月聡監督、母校である松本国際高の勝沢勝監督、徳島ヴォルティスの高本詞史強化担当が出席。冒頭でマイクを握った大河学長は「プロとしてお金を稼ぐという意識を持ってほしい。素晴らしい練習環境が整っている徳島ヴォルティスで、サッカーに打ち込み、人間力を高めてもらいたい」と、サッカー選手としての自覚と人間的な成長を求めた。
高校時代の恩師である勝沢監督は「高校生は感情が揺れることがあるのですが、昂大に関しては全くその記憶がない」。望月監督も「プロになることを意識して私生活から徹底していた印象がある。子供たちに夢を与え、森昂大のプレーを見てみたいと思われる選手になってほしい」と、ともに森選手のサッカーに取り組む姿勢を高く評価。徳島ヴォルティスの高本強化担当は「対人プレーが強く、冷静な対応で守備ができることが彼の強み。後方からの攻撃の起点になってほしい」と、新戦力への期待をにじませた。
昨年9月に特別指定選手に認定され、徳島ヴォルティスの練習にも参加した森選手は「初めて練習に参加させてもらったときに、自分を成長させてくれる環境だと思った。徳島ヴォルティスの勝利のために自分のすべてを捧げる覚悟で挑みたい」と決意を表明。徳島ヴォルティスは昨年J1で17位に終わり、2年ぶりにJ2に降格したが、本学サッカー部出身者として20人目のJリーガーとなった逸材は「試合に出場し続けてJ1昇格に貢献したい」とシーズンに向けての意気込みを語った。

「いろんな方々から多くのことを吸収し、今の自分がある」― 泉 柊椰
会見には6年連続・21人目のJリーガーとして、ヴィッセル神戸(J1)に2023シーズンからの加入が内定した後輩の泉選手も出席。先輩の森選手に「昂大君からあまり楽しんでいる様子が見られなかったのですが、どんな感情を抱きながらプレーしていましたか」とユーモアを交えて質問する場面も。森選手は「インカレで早稲田大学に勝った瞬間が4年間で一番嬉しかった。また、仲間と一緒にプレーしている時が自分にとって本当に楽しい時間だった」と返答。泉選手が「僕は昂大君と練習でマッチアップするのが一番楽しかった。またマッチアップできたらいいな」とJの舞台での対戦に思いをはせると、森選手も「抜かれないように頑張ります」と笑顔で応じた。
先輩の入団会見をサポートする形になった泉選手は、大阪府出身のMF。本学では1年からレギュラーで活躍し、2019年の関西学生サッカー選手権決勝で、チームを初優勝に導くゴールを決めている。日本サッカー協会の「Jリーグ特別指定選手」として本学初の3年次生でのJリーグ早期内定選手となった泉選手は自らの抱負について「指導者、チームメイト、両親、いろんな方々から多くのことを吸収し、今の自分があります。ヴィッセル神戸でもスペシャルな選手から多くのことを吸収し、追い越していけるように努力します」と言葉を紡いだ。

「びわスポ大に入学したからこそ、このチャンスをつかめた」― 山口 大貴
さらに会見の終盤には、サッカー部のホペイロ(用具係)としてチームを支え続けた山口大貴マネージャーがセレッソ大阪に入団することも紹介された。
山口マネージャーは高校3年のとき大怪我を負い、選手の道を断念。本学ではマネージャーとしてサッカー部に入部し、4年間で約600人近い選手のサポートに徹してきたが、本学を運営する大阪成蹊学園がセレッソ大阪とスポンサー契約を締結したことが、彼の人生を大きく動かした。
セレッソ大阪の森島寛晃社長が本学に講演に訪れた際、自ら作成した名刺を渡しながら、将来の夢やビジョンを直接伝えたのだ。その後、セレッソの練習に参加すると、献身的な働きぶりがチーム関係者から高い評価を得て、見事内定を勝ち取った。最後にマイクを託された山口マネージャーは「びわスポ大に入学したからこそ、このチャンスをつかめた。びわスポ大で培った経験を、セレッソ大阪で活かせるように頑張ります」と、力強く語った。
昨シーズンのサッカー部は、トップチームがインカレベスト8に進出したほか、I1がインディペンデンスリーグ全日本大学サッカーフェステイバルに創部初の出場、さらにHIRAが滋賀県社会人1部リーグを制した。そうした快挙が続くなかでも、この日の会見に登場した3人の研鑽の日々は、同じ大学で学ぶ私たちにとって学ぶべき最高のテキストとなるはずである。彼らは今後、どのようなキャリアをJの舞台に刻んでいくのか。その一歩一歩もまた、私たちに勇気や希望を与えて続けてくれるだろう。(文責・家里渓太)