本学の体育会活動を引っ張っているのが、3大クラブと呼ばれる男子サッカー部と硬式野球部(男子)、そして陸上競技部である。新たなスタートを切ったそれぞれの部はどんなビジョンを描いているのか。新キャプテンという重責を任された男子サッカー部の向田新選手、硬式野球部(男子)の藤川駆嵐選手、陸上競技部の足立琉希選手の3人に自由に語り合ってもらった。
キャプテン指名の経緯
向田 僕と藤川は一年生のとき、同じクラスだったんだよね。ほんと、お調子者で楽しい奴って印象だった。
藤川 向田はサッカー部らしい感じやったなあ。僕と足立は入谷智子先生のゼミで一緒なんだよね。
足立 みんな、つながりがあるんやね。僕は西日本インカレが終わったあと、石井田総監督からキャプテンに指名されたんやけど、他に適任者がいるって思ったけど、監督や部長、コーチ、前キャプテンからも僕の名前があがっていたと言われて引き受けた。
向田 サッカー部は4年生から推薦された何人かで話し合って決めたんだけど、推薦された時点で、自分がやろうって覚悟を決めていた。
藤川 僕は山田監督から『やってくれるか』って言われ、即答した。キャプテンになることは、入学したときから決めていたことやから。
足立 えっ、そうなの?
藤川 中高でずっとキャプテンをしていたし、大学でもやりたかった。高校は部員が6人しかいなくて、合同チームで試合に出ていたけどね。6人全員が投球練習しているようなチームやった(笑)
向田 合同チーム出身で、うちの硬式野球部のトップチームでプレーするだけでもすごくない?
藤川 最初はBチームやったけど、1年生の秋リーグで先輩たちがコロナ禍で出られなくなったとき、チャンスがめぐってきた。9打数ノーヒット5三振やったけど、なぜか、そのままAチームでプレーできた。
向田 結果だけじゃない部分を監督やコーチが見ていてくれたんやろ。実は僕も、入学したときは下から3番目のカテゴリーやった。
足立 えっ、向田も? どうやってトップにあがれたの?
向田 下のカテゴリーにいるときも、トップチームの練習時間に必ずグラウンドにいるようにした。そうすると、メンバーが足りなくなることがあって、おい、誰か1人入ってくれないかってなる。そのときに「俺がいきます」と。最初は「誰やねんお前?」って思われてもいい、そうした機会に少しずつ結果をだしていって、トップチームに一歩ずつ近づくことができた。
足立 ちょっと待って。2人ともストーリーが凄すぎる。僕なんか、何もないで…
藤川 足立は円盤投げで西日本インカレで優勝してるんやからすごいやん。
足立 大会直前まで腰痛で苦しんでいたけど、石井田総監督に教わった“調整力”が身についていたから優勝できたと思う。試合前はどうしても追い込んで練習をしたくなるんだけど、あえて練習しない。そうやって本番に備えることが結果につながることを自分が体験して初めて理解できた。この感覚を部全体に浸透させたいけど、難しいね。
今までと違うことに挑戦しないと、成長しない
向田 トップチームの成績が注目されがちだけど、昨年の成績が良くなかったのは、すべての学年、すべてのカテゴリーをひっくるめたサッカー部全体のコミュニケーションが足りなかったからだと思う。だから、新チームは“つながり”という言葉をテーマに掲げている。目標はもちろん、大学日本一になること。
藤川 目標はもちろん神宮初出場。これは1年生のときから決めていたストーリーやから。
足立 どういうこと?
藤川 自分がチームを神宮に連れていくストーリーはもうできてるねん。最後はショートにフライが飛んできて、俺がグラブにおさめる瞬間、歓喜を迎えるところまでイメージができている。
向田 イメージできすぎてないか(笑)。でも、スポーツはイメージを形にしていくことが重要だよね。さっき、新チームのテーマを“つながり”って言ったけど、チームが始動してから2週間は、あえてカテゴリーをぐちゃぐちゃにして練習してみた。副キャプテンを2人から3人にしたことも新しい取り組みで、僕を含めた4人が部全体にいろんな情報を発信できるようにしたい。なにか新しいことに挑戦しないと、成長しないからね。
足立 陸上も団体競技だと思うこともある。関西インカレのときは、仲間の応援が本当に自分の背中をおしてくれた。部員数が多いのが僕たちのクラブの特色だから、キャプテンとして共通する課題は協力して解決していきたいね。
向田 けがやいろんな理由でモチベーションをキープできない部員もいる。退部する選手もいるけど、大学生活は続いていく。そうした人たちのフォローもできるようなサッカー部でありたい。
藤川 野球部には甲子園の常連校から入部した選手たちも少なくない。そうした選手でも、ちょっとした感情の揺れで野球から遠ざかってしまう。いろんな感情を持つ選手たちがうちの野球部で野球を好きなまま続けるためにキャプテンとしてどうすればいいのか、相談できればうれしい。
地域に貢献できるスポーツ大学に
向田 この前、和邇の平和堂で知らない人から「がんばってください」って声をかけていただいた。すごくうれしかったし、逆にもっと地域に貢献できるような活動していこうと改めて思った。
藤川 野球部は今までも地域の農家さんと一緒に活動してきたけど、もっと全学的に広げていけば、何らかの理由で競技から離れた人が新たに活躍できる場も提供できるかもしれない。
足立 うん、それはすごく大事なことだと思う。地域の子供たちやお年寄りのために、僕たちができることもあるはず。
部活動の横のつながり
藤川 話は変わるけど、サッカー選手って1試合でどれぐらい走るの?
向田 ボランチの僕で12㌔ぐらいかな。
藤川 12㌔か…。やっぱり野球とは全然違うな。
足立 もうマラソン選手やん。僕には無理。
藤川 足立は実際に円盤投げで優勝してるからええやん。ベストはどれぐらいなの?
足立 51㍍ちょっとかな。
藤川 インカレで勝つには、どれぐらいの記録が必要なの?
足立 インカレで勝負するには、54、5㍍は投げないと厳しい。
向田 えっ、あとたった4メートルやん。
足立 いや、その4メートルがどれほど遠い距離か、君たちにはわからへんやろなあ。1センチずつでも目標に近づくために努力する日々の重さが(笑)
違う競技から学べることはいろいろある
向田 いや、違う競技から学べることはいろいろある。陸上部に走り方とかを教えてほしいもん。
藤川 トレーニングルームで一緒になると、他の部の人とトレーニングの話をすることはあるけど、競技についての話はあまりしないよね。
足立 これから僕たちが中心になって部活間の横のつながりを作っていこうよ。
向田 よし、藤川がショートフライをとって、野球部が神宮大会出場を決める瞬間を見に行くわ。
藤川 了解。必ずその瞬間はやってくるから。
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