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凱旋加入 2019シーズンJ2 愛媛FC MF/DF スポーツ学部・4年次生 清川流石

  • 愛媛FCの児玉雄一強化部長と固い握手をかわす清川選手

    愛媛FCの児玉雄一強化部長と固い握手をかわす清川選手

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本学から13人目のJリーガー誕生!!
本学サッカー部で活躍した清川流石選手が、この春から生まれ故郷でもある愛媛・松山に本拠地を置く愛媛FC(J2)でプレーする。「大学の4年間で学んだことを胸に刻み、1日でも早くピッチに立って、見ている人が応援したくなるような選手になりたい」と抱負を語る清川選手は、持ち前のスピードでJの舞台でも輝きを放てるのか。びわスポ大出身として13人目のJリーガーとなったサイドアタッカーの活躍が注目される。

♤ 清川 流石(きよかわ・さすが)
1996年7月20日生まれ、愛媛県松山市出身。身長176センチ体重72キロ。久枝小▶帝人SC少年団▶愛媛ジュニアユース▶(現U-15)▶愛媛ユース(現U-18)▶びわこ成蹊スポーツ大。ポジションはMF/DF

出場できない時間こそ、自分としっかり向き合いサッカーに費やすことが大事だと思う
中学1年の時から高校を卒業するまで愛媛FCの下部組織であるジュニアユース(現U‐15)とユース(現U‐18)でキャリアを積んだ清川選手には、常に背中を追う先輩がいた。びわスポ大でも2学年上のミッドフィルダーとして活躍、現在はJ2ヴァンフォーレ甲府でプレーする曽根田穣選手である。「初めて見た時から、がむしゃらにプレーをしてチームを鼓舞する曽根田先輩に憧れてきました。びわスポ大に進んだのも、曽根田先輩がいたからです」
憧れの先輩と同じ道をトレースした清川選手は1年次生の時から注目される存在だったが、入学当初は望月聡監督がチームに浸透させようとした「主体性」という言葉の意味をうまく理解できずにいた。 「1年次生の時は根拠のない自信だけを支えに、自分が満足できることだけを考えてプレーをしていたと思います。びわスポ大のサッカー部にとって最も大切なことを理解できるようになったのは、2年次生になってからでした」と、清川選手は振り返る。「部員が300人もいるのに、みんなが同じ目的意識を共有して一つになっている。部員が多いからといって他人任せにするのではなく、それぞれの立場で自分がチームのために何ができるのかを考えているんです。いろんな部員とコミュニケーションをとるうちにそのことを知って驚いたし、次第に理解していきました。1人ひとりの献身がチーム力につながることを実感するようになって、僕もそうした主体性をもってチームに貢献したいと思うようになりました。主体性という言葉は、僕を4年間で最も成長させてくれた言葉だし、意識だと思います」
大学生活で悔いを残したことがあるとすれば、最終学年となる4年次生の時に関西リーグの連覇を果たせなかったことだろうか。「ゲームキャプテンとしてチームを率いながら、一学年上の世代がいかに凄かったか実感しました。でも、先輩たちに続けなかった悔しさとしっかり向き合うことも、サッカーという競技をより深く学ぶことにつながったし、次のステージで成長する糧にしたいと思っています。僕を育ててくれた故郷のチームに戻れることも、大きなモチベーションになっています。御世話になったいろんな人に、成長した姿を見せて恩返ししたいですから」
昨年11月に本学で開かれた愛媛FC加入内定会見には、入口豊学長や望月監督、愛媛FCの児玉雄一強化部長のほか、元・女子サッカー日本代表監督で、本学の特別招聘教授を務める佐々木則夫氏も駆けつけた。
「まあまあ、甘いマスクをしている」と切り出して報道陣の笑いを誘った望月監督は「彼の一番の武器はスピード。足の速さは大学No1だと私は思っています。その武器を活かしながら、今後はサッカーをもっと知り、1対1の駆け引きを覚えて愛媛FCを優勝に導いてほしい」とエール。佐々木氏も「自らの力で“カネ”を稼ぐのがプロですが、(自分がトータルアドバイザーを務めている)大宮アルディージャとやる機会があればそこそこやって頂き、他のチームとやる時にがっちり頑張ってください」と、ユーモアを交えて激励した。
愛媛FCのスポンサーを務める「株式会社えひめ飲料」のポンジュースで乾杯するなど、故郷・松山への凱旋ムードが色濃くにじむ会見だったが、サッカー部の後輩が報道陣にまじって清川選手に質問をぶつけるシーンもあった。「自分たちもプロになりたいと思って、サッカーに取り組んでいます。プロになるためのアドバイスはなにかありますか?」新チームのキャプテンを務める井上直輝選手からの予想外の問いかけに、清川選手は口調をしっかりと整えながら答えた。「サッカーというスポーツは11人しか試合に出場できないスポーツですが、出場できない時間こそ、自分としっかりと向き合い、サッカーに費やすことが大事だと思う。また、仲間とともにサッカーをする楽しさ、サポートをしてくれているマネージャーたちに感謝する気持ちが僕は大事だと思います」
あえて言葉を足せば、そうした仲間やマネージャーたちもそれぞれが「主体性」を持ってサッカーと向き合い、チームを支えてくれているからこそ、彼らに感謝する気持ちが生まれ、それが自らの「主体性」と成長につながっていく。そうした絆を清川選手はびわスポ大で学んだからこそ、後輩たちに伝えたかったのではないか。
愛媛FC入団が正式に決まった時、清川選手は背中を追い続ける曽根田選手に電話をかけた。「僕も、プロ選手になることができました」「そうか、よかったな」—短い言葉のやりとりだったが、清川選手は「曽根田先輩に報告した時、子どもの頃からずっと夢みていたJリーガーになれたことを初めて実感できました」と語る。
J2の日程表を見ると、愛媛と甲府は4月27日、第11節で対戦する。ルーキーがJのピッチに立つのは容易ではないが、もし、憧れの先輩と同じ舞台で戦う新たな夢が叶った時、清川選手は2人の胸に通底する〝びわこプライド〟の存在に改めて気づくかもしれない。