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  • 渡邊裕也准教授が参画した「高齢者のフレイル、体力、心理社会的状況に関する追跡調査」が国際誌に掲載

渡邊裕也准教授が参画した「高齢者のフレイル、体力、心理社会的状況に関する追跡調査」が国際誌に掲載

2025.10.09

お知らせ

スポーツ学部,スポーツ学科,健康・トレーニング科学コース,教育・研究,改革03

  • 改革03
  • 【研究概要】
  • 本研究は、地域で暮らす高齢者を対象に、フレイル、体力、そして心の健康や社会的つながりといった心理社会的要素との関係を、5年間にわたり追跡調査したものです。
  • 評価には、握力や膝伸展筋力、垂直跳びなど10種類の体力指標に加え、体力年齢スコア、高齢者抑うつ尺度、社会的ネットワーク尺度短縮版、および基本チェックリストを用いました。
  • 基本チェックリストは、高齢者の生活機能・健康状態を簡単に把握するための25項目(運動・栄養・口腔・社会性など)の質問票です。
  • 分析の結果、以下のことが明らかになりました。
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  • ・5年間で握力や垂直跳び、膝伸展筋力、ファンクショナルリーチ(バランス能力を測るテスト)など複数の体力指標が明らかに低下した一方で、抑うつ傾向や社会的つながり、生活機能に関する指標は概ね維持されていた。
  • ・Timed Up & Go テスト(歩行能力を評価するテスト)では、健常群は機能を維持していたのに対し、フレイルリスク群では明らかな低下が確認された。
  • ・口腔機能に関する基本チェックリスト項目が、5年後のフレイル発生を予測する因子であることが示された。
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  • これらの知見は、地域在住高齢者において体力と口腔機能を維持することがフレイル予防に重要であることを示しています。
  • たとえ健康意識の高い高齢者であっても、加齢による体力低下は避けられないため、運動習慣や口腔ケアを含む積極的な予防の必要性が明らかになりました。
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  • 【論文情報】
  • 掲載誌:Geriatrics
  • 掲載日:2025年6月16日
  • 書誌情報:Geriatrics 2025, 10(3), 82
  • DOI: 10.3390/geriatrics10030082

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