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  • Jリーグへ進む5人の選手たち

    Jリーグへ進む5人の選手たち
    (写真右から) GK 田中勘太(カターレ富山)FW 井上直輝(ブラウブリッツ秋田)MF 忽那喬司(愛媛FC)FW 青山景昌(福島ユナイテッドFC)GK 糸原紘史郎(ガイナーレ鳥取)

  • GK 田中勘太(カターレ富山)

    GK 田中勘太(カターレ富山)

  • FW 井上直輝(ブラウブリッツ秋田)

    FW 井上直輝(ブラウブリッツ秋田)

  • MF 忽那喬司(愛媛FC)

    MF 忽那喬司(愛媛FC)

  • FW 青山景昌(福島ユナイテッドFC)

    FW 青山景昌(福島ユナイテッドFC)

  • GK 糸原紘史郎(ガイナーレ鳥取)

    GK 糸原紘史郎(ガイナーレ鳥取)

快挙 Jリーガー過去最高5人誕生
はばたけ、5人のJリーガー。これまでに13名のプロ選手を輩出してきた本学サッカー部から今年度は過去最高となる5人がJリーガーとしてプレーすることになり、新年が明けた1月7日、本学大ホールで合同加入内定発表会見が行われた。それぞれが加入するチームの関係者や報道陣に足を運んでいただいたなか、5人は本学で学んだことや、新天地での抱負を力強い言葉で表明。後輩のサッカー部員たちによるサプライズ演出もあり、〝びわこプライド〟という言葉が新たな歴史とともに刻まれた舞台となった。

同学年2GK、切磋琢磨し 揃ってプロ入り!!
Jリーグへ進むのは、GK田中勘太(カターレ富山)、FW井上直輝(ブラウブリッツ秋田)、MF忽那喬司(愛媛FC)、FW青山景昌(福島ユナイテッドFC)、GK糸原紘史郎(ガイナーレ鳥取)の5人。昨シーズンの本学サッカー部は彼らを軸に、関西選手権優勝という開学初の快挙も成し遂げていた。

会見の冒頭でマイクを握った入口豊学長は5人のプロフィールにふれたうえで「なかでも同じ学年のキーパー2人がJレベルまでお互いを切磋琢磨してきたことは素晴らしい。後輩のみなさんも、こうした偉大な先輩たちにぜひ続いて欲しい」とあいさつ。5人を指導してきた望月聡監督は「部を立ち上げた時からご尽力いただいた方たちの努力をはじめ、いろんな歴史が積み重なって今回のJリーガー5人誕生につながったと思います。彼らは主体性、リーダーシップ、向上心が優れているのが共通点。サッカーだけをやっていても先に進めない。色んな方々に人間的な成長をサポートしてもらえたから今がある。それぞれのストロングポイントを磨き続けて欲しい」とエールを送った。

このあと、選手たち1人ひとりにマイクが回され、獲得に動いたチーム関係者とともに心境を語った。

愛媛へと進む忽那選手は同クラブのアカデミー出身で、2015年には2種登録選手として天皇杯にも出場した。前年のMF清川流石選手に続き、2年連続で本学の選手を獲得する児玉雄一強化部長は「ずっとクラブとして期待していたので、大学に進んでからも4年間プレーを追いかけていた。早くピッチに立って、成長した姿を見せてもらえれば」とコメント。忽那選手は「自分が生まれ育った愛媛県のクラブでプロとしてのキャリアをスタートできるのは嬉しい」と喜んだ。

秋田の代表取締役と強化部長を兼任する岩瀬浩介氏は新戦力となる井上選手について「練習参加した際に、献身的でひたむきにハードワークする姿が、僕らが掲げる秋田スタイルに合致すると思った。プレーヤーとして成長出来る人間力と向上心、負けん気を感じたので獲得した。1年目から試合に出てくれるのを期待しています」と獲得の決め手について説明。本学サッカー部キャプテンとしてチームをひっぱてきた井上選手は「色々なチームに練習参加しながらもプロ入りが決まらなかった僕を最後の最後で取ってもらい、感謝している。恩を返すのはプレーでしかないと思っているので、1年目からやっていきたい。ここからがスタートで、満足したら終わり。ブラウブリッツ秋田をJ2に昇格させ、得点を重ねていきたい」と意気込んだ。

青山選手を獲得した福島の竹鼻快GMは、「うちはJ2への昇格要件を持っていないので、福島を使って、J2、J1へのステップを果たすのをクラブと選手の目標にしている」とクラブとしての方針を説明。「今年獲得した選手の中では一番最初にオファーを出した。ゴール前でのチャンスメイクとゴール、攻撃に変化を加えるプレーに期待したい」と、強い期待感を表明。いったん他大学でのプレーを経て本学で経験を積んだ青山選手は「プロ入りが決まって嬉しいが、ここからが勝負。プロの世界に入っていく覚悟と情熱を持って頑張りたい。得点に絡んでゴールをたくさん取るのが目標だけど、チームの勝利を優先したい。そこを目指さないとステップアップできないので、勝利を重視したい」と決意を明かした。

富山の黒部光昭強化部長は、昨夏の総理大臣杯で初めてプレーをチェックしたという田中選手について「キックが上手いし、セービング能力も高い。足元はまだまだだけど良いモノを持っている。感覚でしかないですけど、彼はJ1以上でやれるオーラを持っていると思う。ゴールマウスに立った姿を見て、彼はやれると確信した」と最大限の賛辞でその才能を評価。隣で驚きの表情を浮かべた田中選手は「カターレ富山をJ1に昇格させるのが僕の目標。そのためにカターレ富山に命を捧げるつもりで頑張ります。カターレ富山をACLに出られるチームにしたいし、僕がその原動力になりたい」と力強く宣言した。

さらに、田中選手のサブを務めることが多かった糸原選手を獲得した鳥取の吉野智行強化育成部長は「ゴールマウスに立った際のたたずまいが非常に良いなと思った。地元が鳥取県なのも魅力で、鳥取でプレーがしたいという強い意気込みを感じたので獲得を即決した」と獲得の決め手について言及。本学の北村裕貴コーチの勧めで昨夏に練習参加、育成リーグにも出場した糸原選手は「前身のSC鳥取の試合を観て、サッカー選手になりたい、サッカーが上手くなりたいと思った」と、自らの原点とチームの関わりにふれたうえで「鳥取県は全国で一番人口が少ない県。ガイナーレも強小というテーマ(小さくても強いという意味)を掲げて、クラブを大きくしようとしている。僕も一員としてガイナーレを大きくして、J1で戦いたい」と強い決意を語った。

このあと、質疑応答にはいったが、報道陣に交じって3年次生DFの横山聡大選手(名古屋U︱18)が「ぜひ先輩たちの応援に行きたいので、それぞれこれは食べろというご当地グルメを教えてください」と質問。後輩の〝変化球〟気味の質問に対し、「みかんと鯛めし」(愛媛・忽那)、「比内地鶏となまはげ」(秋田・井上)、「果物と日本酒」(福島・青山)、「海鮮系をしっかり抑えて欲しい。ラーメンが好きなので、巡ってインスタに上げるのでチェックして欲しい」(富山・田中)、「海の幸と二十世紀梨」(鳥取・糸原)と、先輩たちもユーモアあふれる言葉を返す場面も。 本紙の制作にあたっているジャーナリズムゼミの3年次生が「望月監督の指導や言葉で一番印象に残っていること」を質問したときも、井上選手が「もちさんは、けっこう笑わそうとしてすべるじゃないですか。今日の僕もこんな感じですべっているのは、もちさんの教えのおかげだと思っています」と答え、大ホールが笑い声に包まれた。

会見の最後は参加者全員による校歌斉唱で終わる予定だったが、校歌を歌い終わると同時に、サッカー部の後輩たちが部の応援歌を合唱するサプライズ演出。花束を手にした5人の新人Jリーガーたちも、終始笑顔で新天地での活躍を誓った。